非常に高い確率で大きな利益を出す事ができる可能性があり、投資初心者にも十分お勧めできるIPO投資。
ローリスク・ハイリターンの投資といわれていて、
初心者の方でも比較的はじめやすい投資の1つです!
こうした理由もあってか、IPO投資への人気は近年より一層高まってきております。
IPOとは:証券会社に新規上場する株式のこと!
IPO(新規公開株式)とは、株式会社が証券取引所に株式を上場させ、自社の発行する株式を自由に譲渡できるようにすることです。
株式市場に上場することで、企業は証券取引所を介して自社株式の売買を通じ、資金調達ができるようになります。
例えば2009年のIPO銘柄数は19社だったのに対し、近年では毎年90社程度が上場しています。
IPO投資とは:証券会社に新規上場する株式への投資のこと!
IPO投資とは、新規公開株式への投資のことです。
株式の新規公開により、未上場企業の株式が証券取引所に上場し、公開された株式は投資家が市場で売買できるようになります。
IPOについては、新たに株券を発行し株式市場から資金調達をする「公募増資」や、以前から株主に保有されていた株式を市場に放出する「売出し」があります。
なぜ高確率で利益を出すことができる?
ずばり、
公募価格<初値
となるケースが多いから
です。
公募価格とは、IPO投資家が新規上場前に「購入する時の値段」のことで、初値とは、新規公開株が証券取引所に新規上場して「最初についた値段」のことです。
例えば、
公募価格 1,000円 → 初値 2,000円
この場合、投資家が公募価格で買った1株が倍になっているので、例えば100株購入していた場合、
投資家の利益は1,000円(初値と公募価格の差が1株の利益)×100株で、10万円の儲けとなります。
このように、投資家が公募価格で購入した新規公開株を、その株が証券取引所に新規上場したと同時(初値)に売却する場合、公開価格と初値の差額×購入株数が投資家の利益となります。
最新のIPO投資の実績
2020年12月29日上場の オンデック(マザーズ)の場合・・・
公募価格:1,550円(×100株=155,000円)
初値:4,500円(×100株=450,000円)
という結果に。
つまり、このケースの初値売り損益は、295,000円(450,000円-155,000円)となり、これは騰落率(倍率)にすると190.32%(2.90倍)になります。
購入株数は、必ず100株なの?
銘柄によって申込株数の上限が定められていますが、
最近だと、1単元が100株が上限となる事が多いです。
IPO投資の抽選に当たった場合は、公募価格で新規株式を申し込みする権利を得ます。
上場と同時に売却する場合、初値が公募価格を上回っていれば、“勝ち”となり、利益が得られるということです。
IPO投資では、どれだけ儲けられる?
IPO投資の儲けの例として、伝説的に語られいているのが、「ヤフー」の株です。
1997年に上場したヤフーの場合・・・
公募価格:70万円(×100株=7000万円)
初値 :200万円(×100株=2億円)
となり、
つまり、初値売り損益は、 1億3千万円です。
さらに、ヤフーの凄いところは、初値売りでも十分、投資家に多大なる利益を与えたのですが、もしも投資家が上場と同時に初値売りをしていなければ、そのあとでもっと大きな利益を得られたのです。
3年後のヤフーの株・・
✓1株⇒2株とする株式分割を2回実施
つまり、上場時に購入した1株が4株に増え、合計価値が6億7160万円、利益が5億9930万円に!
初値売りしていても大儲け、より長期に保有していたら、さらに大儲けしたという計算になります。
IPO投資のメリット
IPO投資のメリットを6つ紹介します。
①勝率が高い(損失リスクが比較的小さい)
これまでのIPO実績を見てみましょう。
初値が公募価格よりも上回った場合を「勝ち」とし、勝率を計算しています。
年 | 勝率 |
---|---|
2019 | 87.2% |
2018 | 87.6% |
2017 | 91.1% |
2016 | 80.7% |
2015 | 86.6% |
2014 | 78.3% |
2013 | 93.3% |
ここ数年は、約80%~90%近い勝率となっており極めて高い勝率となっています。
2019年に初値が公募価格以下になる「公募価格割れ」となったIPO銘柄は86社中9社で、2018年は90社中9社でした。
直近で考えると、IPOで購入した株式のうち約9割は上場後の初値より安く買えたことになります。
②短期で大きな利益を得られる可能性がある
次に、最高リターンについても年別でみてみます。
年 | 勝率 | 最高リターン |
---|---|---|
2019 | 87.2% | 372% |
2018 | 87.6% | 989% |
2017 | 91.1% | 518% |
2016 | 80.7% | 473% |
2015 | 86.6% | 529% |
2014 | 78.3% | 563% |
2013 | 93.3% | 556% |
初値が公募価格の何倍になったのか?という意味で、その年の最高値を示しています。
例えば2019年だと、サーバーワークスというIPO株は4,780円の株価が18,000円となっています。
1単元100株なので、この一回のIPO投資で133.2万円の儲けです。
勿論このように何倍にもなる銘柄ばかりではありませんが、高い勝率と高いリターンが見込めるというのは大きな魅力です。
③売り時がわかりやすい
IPO投資は、当選後は「初値で売るのが無難」といわれており、初値で売ることで利益確定しやすく、個別株などと比べ売り時が分かりやすいです。
また、IPOは当選から実際に上場するまでの日数は数日です。
初値で売る前提で考えると、結果が数日でわかるという手離れの良さもIPO投資の魅力です。
④購入時の手数料が無料
IPO投資の抽選申し込み、および当選後の購入申し込みには、原則手数料がかからないというメリットがあります。
投資信託やETFでも信託手数料などがかかることを考えると、これもIPOが人気を集める理由の1つといえるでしょう。
⑤落選しても投資元本が減らない
IPO投資の抽選に当たったあと、IPO株を購入する場合には、そのIPOの株価×100株(1単元100株の場合)のお金がかかりますが、抽選への申し込み自体には手数料がかからず、また、当選しなければ購入することはできないので、落選した場合は、お金がかかることがありません。
つまり、抽選だけであれば、無料で参加することができます。
まるでタダで手に入れることが
できる「宝くじ」みたいね!
⑥初値売りしなければ大儲けする可能性もある
例えば先ほどのヤフーのように、長期の保有でもっと大儲けできる可能性もあります。
現在のヤフーは、上場してから株式分割を繰り返し、最初に買った100株は現在約8192万株に増えています。
つまり、現在でも約4億円の価値があります。
株式というのは、どんな企業でも上場できるわけではなく、会社の実績や将来性など様々な面を考慮し決定されます。
また、上場する際は厳しい審査が入り、この基準をクリアすることで企業に対しての信頼が増し、多くの投資家が欲しがるため、株価が上しやすくなります。
こうした背景から、IPOは長期に保有することで後々に大化けする可能性もあるのです。
IPO投資のデメリット
しかし、もちろんIPO投資は、だれでも必ず儲けることができる投資ではなく、リスクやデメリットもあります。
①公募割れのリスクがある
そもそも上場する企業が100%すべて優良企業ではないので、一部の企業では、初値が公募価格以下になる「公募価格割れ」となる場合もあります。
2019年は、IPO上場した企業86社のうち、9社が公募価格割れでした。
約9割は上場後の初値より安く買えるという勝率の高さがメリットですが、言い換えれば、約1‐2割の確率で「公募価格割れ」となってしまいます。
②抽選になかなか当たらない
IPO最大のデメリットは「なかなか当選しないこと」です。
特に、ここ数年では公募価格割れの割合が低く、IPO抽選で当選すれば、計算上9割近い割合で公募価格より高い初値で売却できています。
この状況から、「IPOは公募価格より高く売れる、リスクの少ない手堅い投資」という認識が広まっているため、IPO抽選を申し込む投資家も急増しており、当選率はますます低くなっています。
③上場後の株価が読みづらい
IPOは上場したばかりの株ということになるため、市場での評価が固まっておらず、値動きが激しい場合があります。
株価が急騰・急落する可能性もあり、なかなか先読みすることは難しいです。
例えば、2019年12月16日に上場した「ランサーズ」は、公募価格730円に対し初値830円を付けましたが、そののち3カ月も経たない2020年3月21日には、438円まで下落しています。
④IPOへ参加している間は、一部資金の利用が制限される
証券会社によっては、IPO申込や当選で買付資金が拘束されます。
買付余力に余裕がない状態で資金が拘束されると、通常の株取引に支障をきたすこともあるかと思います。
例えば、SMBC日興証券では、IPOに申し込んだ時点で資金が拘束され、抽選に外れるまでその状態が続きます。
SBI証券では、抽選で当選・補欠当選すると資金が拘束されます。
日ごろから沢山株取引をしている人や、近い予定に
まとまったお金を使う予定のある方は注意が必要です。
IPO投資のやり方と手順
IPO投資のやり方と手順は、抽選が「前期型」の証券会社と「後期型」の証券会社の2種類で異なります。
IPOの抽選に参加するための申込方法が、証券会社によって「前期型」と「後期型」の2種類のいずれかを採用しています。
後期型の証券会社もありますが、前期型を採用している証券会社が一般的です。
ここでは、一般的な前期型のIPO投資の流れを紹介します。
前期型のIPO投資の流れ
①仮条件の決定
②ブックビルディング期間の開始
③ブックビルディングに申込み
④公募価格の決定
⑤抽選
⑥購入申込期間の開始
⑦IPO上場
当選するかは分からないけど、
当選してから購入もしくは辞退を選択することができるので、申し込んでみる価値はあるね!
IPO投資の注意点
ここでは注意点を2つあげます。
①購入権を得ても購入を見送った方がいい場合もある
IPO株は、公募割れすることもあります。
公募割れリスクが高い株は、事前に調べることで購入を見送った方が良い場合もあります。
当選し購入権を得たら、購入申込前に、公募割れリスク確認として一般的に、以下の要素がある銘柄は特に注意した方が良いです。
⑵公募価格が仮条件の上限で決まらない
⑴新規公開株数が多いと初値での売り注文が多くなるため、初値の下げ圧力に繋がります。
例:2018年上場で新規公開株数が非常に多かったソフトバンク
公募価格1,500円➡初値1,463円(↓2%)
⑵公募価格が仮条件の上限で決まらないと、その銘柄は人気が高いとは言えず、初値が上がりにくいと予想できます。
例:2016年に上場したLINE
仮条件「2,900円~3,300円」
人気の銘柄だと、ブックビルディング時の申込みを、上限である3,300円にする投資家が多い
=公募価格が3,300円になる!
当然、公募価格が仮条件の上限で決まった銘柄であっても公募割れすることもあります。
参考程度に覚えておきましょう。
②当選後に購入辞退できない証券会社がある
多くの証券会社では、IPO抽選の当選後に購入もしくは購入辞退を選んで申し込むことができます。
しかし、ブックビルディング申込後に購入申込を行い、その後に抽選が行われる証券会社もあります。(後期型)
つまり、後期型の証券会社でIPO抽選で当選したら、そのまま購入する仕組みになっています。
当選後に購入辞退できる証券会社であれば、公募割れリスクの確認は当選後でも間に合いますが、当選後に購入辞退できない証券会社(後期型)では、公募割れリスクの確認は購入申込の前に行う必要があります。
しかし、後期型であることのメリットもあります。
それは別のページで解説しています。
まとめ
IPO投資とはどのようなものなのかを紹介しました。
✓IPO投資は、勝率が約8‐9割と高く、初心者でも短期で大きな利益を出す事ができる夢のある投資である
✓しかし、なかなか当選しない ➡当選確率を上げる工夫が必要!
✓証券会社によって抽選方法・ルールが異なる ➡自分に合った証券会社を見つけると良い
ぜひ初心者の方も、IPO投資を始めてみましょう!
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